ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集
『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』
著者:石角完爾 集英社 2012年 個人的評価★★★★★(5段階)
毎日悲観しすぎて、泣きそうになった人に読んでほしい一冊。
■ なぜCEOにユダヤ人が多いのか気になった
周知の通り、ユダヤ人には功績を残した著名人が多い。
よく知るところで、スターバックスのハワード・シュルツ、googleのラリー・ペイジ等々。
ユダヤ人とは、ユダヤ教を信仰する民族で、血統主義ではない。ユダヤ人がビジネスで成功する理由は、宗教の根幹にある「哲学」が大きく関わっているという。
STARBACKS ハワード・シュルツ goole ラリー・ペイジ
■ 何度も読み直してしまう「タルムード」
金言集となら、読み終わるも速いだろうと手に取り、衝撃を受けましたよ。
一つ一つ奥が深くて、時間がかかってしまったんです。もちろん内容は簡潔でとても読みやすい。本に慣れていない方も読みやすいと思うほど。
タルムードは、口伝律法や学者の議論を書き留めた議論集。
37のタルムード(どれもとても短い)から、お金を引き寄せる理由、ビジネスの場面でどう活かしているのか、さらに限りある人生をどう捉えているかを展開する。それぞれ現代の事象と照らし合わせているので具体的で面白い。
また著者本人は国際弁護士なので、CEOがこの「哲学」があるかないかで、その後の顛末に影響がある事例を見てきた、というのも説得力があります。
■ 大切なのは知識
シェイスクピアの話では、金欲にまみれた悪役はもっぱらユダヤ人。
しかし本来は金よりも知識、物的資産よりも形のない知的資産が大事だと考える。
殊に子供への教育を重視。子供達に遺産は残さず、「なぜ?」と考える力を育て、自身で歩き出す力を目指す。
金はその知識を得るために必要とするもの。つまり貯めるものではなく使うものなのである。収入の10%を寄付する。対価なしでは賢明は得られないのだ。
彼らは堅実に金を稼ぐため、努力や準備を怠らない。
豊かさの次には貧困が襲うから、好調な時こそ苦境の準備をする。物事を逆の視点から考えてみるのだ。小さな儲けを繰り返し、適正なリスクを計算、確実に資産を形成する。一発逆転ではない、この地道な行動が大きな実になる、という。
■ 圧倒的な「神」の存在
なぜ準備を怠らないか、それは神の存在がある。ユダヤ人で「どうせ何をやっても」と投げやりに考える人は少ないという。今ある命を大切にし、価値あるものにしようと人生と格闘する。
そのため巨大地震に対しても、神は「日々それに備えよ」と警告されているのではないかと考える。日本人の考えとは逆だ。
苦難の犠牲者になってはいけない。耐えることではなく、別の光の見えるものに作りかえるまで向き合う。どんな行動も神に見られている−歴史的な迫害を乗り越えてきた民族の、この意識が、圧倒的な努力を支えている。
■ After Reading the Book… 読んでみての感想
今までは周囲に流され、自分の人生を悲観することが多かったんです。
しかし私に本当に必要なのは、人生に楽観もしないが、悲観もしないこと。
冷静に状況を見ながら準備をし、目下の損得や価値感に惑わされず、賢明な人生を目指す。それこそが懸命に賢明に生きることなんだ、と学んだ一冊。
うんうん、個人的に本当に救われましたよ。
励みになります✨